診療のご案内

糖尿病について

糖尿病とは?

インスリンの作用不足により、常に体の中で血糖値が高い状態となり、様々な障害を引き起こす代謝疾患です。
日本では現在、糖尿病の疑いの強い人や予備軍の人が約1,620万人いるとされていて、今後も増加が見込まれています。
また、50歳以上では20%前後、あるいはそれ以上に及ぶ人が糖尿病かそれに近い状態といわれています。
糖尿病は症状の改善は可能ですが完治は難しく、余病を併発しやすくなります。
予防のポイントは何といっても生活習慣の改善です。

糖尿病の種類

1型糖尿病
膵臓がインスリンをほとんど、あるいは全く作らないために体内のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こる糖尿病です。

2型糖尿病
インスリンの量が不十分で起こる糖尿病と、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなるために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こる糖尿病がある。食事や運動などの生活習慣が関係している場合が多いです。日本の糖尿病者の95%がこのタイプです。

糖尿病の症状

のどの渇き。尿の量・回数が多い。体重が急激に減る。全身がだるく、疲れやすい。目がかすむ(視力障害)。立ちくらみ。手足のしびれ。

糖尿病の診断

糖尿病になると、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が上昇してきます。この値を指
標にして、以下のフローチャートで糖尿病の診断を行います。
糖尿病の診断チャート

糖尿病の合併症

三大合併症

糖尿病の治療法

糖尿病の治療法としては、初期段階なら食事療法と運動療法。
進行したら薬物療法が必要になる。
 
1)糖尿病の食事
糖尿病と診断されてしまったら、日常の生活強度に合った食事をする必要があります(食事療法)。糖尿病食で食べてはいけないものはありませんが、自分にあった分量の食事で、必要とする全ての栄養素をとるように工夫します。

エネルギー摂取量=標準体重x身体活動量(kcal)

* 標準体重(kg)=身長(m)x身長(m)x22
* 身体活動量の指標

軽労働(デスクワーク、主婦など)  25-30 kcal/kg標準体重
普通の労作(立仕事が多い職業)   30-35 kcal/kg標準体重
重い労作(力仕事の多い職業)    35-  kcal/kg標準体重

(例)身長 170cm、事務仕事の方の1日エネルギー摂取量(kcal)は?
エネルギー摂取量=1.7x1.7x22x30=1900kcal


2)糖尿病の運動療法
  • 速歩やジョギングなど中程度の強さの運動を1日に15~60分程度、食後1~2時間以内に週3~5回するのがベストな方法です。
  • 食後1~2時間が最適というのは血糖がもっとも高くなる時間帯だからですが、この時間でなくても早朝や深夜また食直後などを避ければいつやっても問題はありません。
  • 無理して毎日続けるより、長く続けることのほうがはるかに重要です。
  • 運動を始めた、最低15~20分は続けることが効果を高める秘訣です。これは運動を始めて15分を境にエネルギー消費の比率が血糖中心から脂肪中心へと移行するためです。10分程度で中断する形の運動を繰り返すだけでは、たとえ1時間運動してもエネルギー源として消費するのは血糖だけで脂肪の消費にまでには至りません。従って血糖は下がっても脂肪は減らないので療法としての効果は半減します。

3)薬物療法
主な薬物療法は、血糖を下げるための血糖降下薬という飲み薬とインスリンがほとんど分泌されない人や不足の人のためのインスリン注射です。薬物療法が必要になるのは、1型糖尿病の人。1型糖尿病の場合には体内でインスリンを作れないため、必ずインスリン注射が必要になります。それ以外の型でも、食事療法や運動療法を続けても効果が現れない場合薬物療法を行います。

経口血糖降下薬

  • ビグアナイド類(メトホルミン):肝臓がブドウ糖をつくりだすのを抑える、などの作用があります。
  • インスリン抵抗性改善薬(チアゾリジン類):インスリンの働きを良くする作用があります。
  • α-グルコシダーゼ阻害薬:腸からの糖の吸収をゆっくりさせ、体のインスリン分泌に合わせることで食後血糖の急激な上昇をおさえます。
  • スルホニル尿素類(SU剤):すい臓からのインスリンの分泌を増やします。
  • 速効型インスリン分泌促進薬:すい臓からのインスリンの分泌を増やします。
  • インクレチン関連薬(DPP-IV阻害薬):インスリンの働きを良くする作用などがあります。

このページの先頭へ